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はごろもフーズが提供する、お楽しみコンテンツ集。
楽しみながら、「食」についての知識を深めましょう!

かつお節の話

はごろも課外活動の時間!かつお節倶楽部

気になるでござるな!

今や世界共通語となった「うま味」。
これは、かつお節や昆布などに多く含まれており、 発見したのは日本人でした。
日本は昔から"だし"として、料理に取り入れていますが、今、このうま味が世界中から大注目!
なぜ?どうして!
かつお節のヒミツを探ります!!

日本独自の食べ物「かつお節」
かつお節

かつお節でだしをとる料理方法は日本にしかありません。
しょうゆやみそは中国から伝わったものですが、かつお節は日本で独自に発展したもので、まさに日本の調味料のルーツといえるのです。
ところでかつお節の"節"って何だと思いますか!?
いろいろな説があるのですが、昔は生のかつおを天日で干していたことから"かつお干"や煙でいぶして作ることから"かつおいぶし"がなまって「かつお節」になったことが有力な見方です。

祝い事に欠かせない
かつお節

かつお節は、背肉から作る「雄節(おぶし)」と腹肉から作る「雌節(めぶし)」が夫婦一対になることや、組み合わせた形がめでたい亀の甲羅に似ていることから「鰹夫婦節(かつおぶし)」ともよばれているため、結婚式の引き出物に使われることがあります。
また、「勝男武士(かつおぶし)」「勝つ魚(かつお)」に由来することから、出産の内祝い、七五三、入学の内祝い、快気祝い、新築祝いなど、お祝いの贈物によく使われます。

かつお節は昔から縁起の良い物とされているでござる。

かつお節の歴史 門外不出の作り方!

古くは「古事記」に「堅魚(かたうお)」の記述があります。
また奈良時代の大宝律令や平安時代の延喜式にも同じような記述があります。
近代でいう税金として納められていた、保存がきくように煮ためたものを天日で乾燥させていたようです。
現代のようにいぶす方法は、江戸中期に確立しました。
紀州(今の和歌山県)で漁師をしていた男が土佐に伝え、土佐藩が秘法として、他の藩にもれないよう警戒したため、全国に広まったのは明治も中期に入ってからと言われています。

それでは、現代の作り方を研究してみましょう!
1. かつおを切る。

まずは原料のかつおを頭・内臓を取り除き、3枚におろします。(骨を中心に両側の身を切り取ります) 2.5kg以上のかつおは、さらに背側(雄節)と腹側(雌節)に分けます。

3枚おろし 2.5kg以上の場合・・・
2. 煮る→冷やす

切ったかつおはカゴに丁寧に並べられ、大きな釜で茹であげます。
これを煮熟(しゃじゅく)と言います。
茹であがったかつおは風通しの良いところで一時間ほど冷まします。
冷めたものを「なまり節」といって、だしはとれませんが、煮付けや身をほぐして和え物にして食べることができます。

煮熟する(煮る)理由は①殺菌し、腐敗を防ぐ②乾燥を早めるためでござる。
3. 骨や汚れを取り除く。

口当たりや風味を良くするために、骨・皮・うろこ・汚れ・皮下脂肪などを取り除きます。
これを骨抜き作業と言います。
ここで一手間。それが修膳です。
傷があるとそこから割れたり破損するため、ペースト状にした身を埋め込む作業をします。

4. いよいよいぶします!

いぶすことで中の水分を蒸発させて腐りにくくします。
最初にいぶすことを一番火といって、表面の水分を除いて雑菌を殺す役割があります。
約一時間いぶしたものを「焙乾なまり節」と言います。
いぶす作業は、この後何度も繰り返します。

約80℃の炉でいぶすでござる。
5. 2番火~15番火までいぶす作業がつづく。

一夜放置すると中の水分が表面にしみ出てくるので、再びいぶします。
大きさによって回数は変わりますが、なぜ、何回にも分けていぶすのでしょう。
いぶす作業の間に「あん蒸」という寝かす作業が挟まれます。
いっきにいぶしてしまうと表面だけが乾燥して、中に水分が残ってしまうため、あん蒸によって中の水分を表面に出しながらいぶしていくのです。
こうして、終わったものが「荒節(あらぶし)」です。

6. やっと最終段階・・・・!?

荒節は、1~2日間乾かしてから表面を削り形を整えます。
いぶした時に表面についたけむり成分やにじみ出た脂肪分を削り取る役割もあります。
いよいよ完成。
と言いたいところですが、まだまだ作業はつづきます。

7. カビがかつお節をうまくする!

表面を削ったものを「裸節」といい、これをさらに1~2日間乾燥させたら、蒸籠に詰めて、節にカビをつけ、カビ室に入れます。
カビ室は、室温25~26℃、湿度85~90%に保たれていて、10日ほどで青カビで覆われます。
これを一番カビといい、天日干ししてからブラシでカビを払い落とします。
このカビつけ作業もいぶしと同じように、数回繰り返されます。(二番カビをつけたものを「枯節(かれぶし)」、四番カビ以上つけたものを「本枯節(ほんかれぶし)」といいます。)
こうして、時間と手間をかけてやっと完成するのです。

なんと4~6ヶ月もかけて作られるでござる。だからこそ美味になるのでござるね。
なぜ、わざわざ
カビをつけるのでしょう?

表面に出てきた水分をカビがすうことで、さらに水分を減少させることができるのです。
また、だしのにごりの原因となる脂肪分を分解したり、独特のうま味を生む効果もあります。

おいしさのヒミツは、日本人が発見!!

うま味だけでなく香りもかつお節の優れたところでござる。

だしはなぜおいしいと感じるのでしょうか。
味には、甘味、酸味、塩味、苦味、そしてうま味の5つの基本味があります。
このうま味がだしに含まれるおいしさの素なのです。
それを発見したのは日本人でした。
1908年、東京帝国大学の池田菊苗博士が昆布の主成分であるグルタミン酸を発見。
「うま味」と名付けたのです。
そして、1985年に開催された第一回うま味国際シンポジウムを機に、うま味(UMAMI)という用語が国際的に公式使用されることになったのです。

良質のたんぱく質がたっぷり!
節にする事でうま味もアップするでござる。

生のかつおは脂肪分が少なくたんぱく質を多く含むことで知られていますが、かつお節は生のかつおの3倍もたんぱく質を含んでいます。
さらに、体内では合成できない必須アミノ酸9種類すべてを含むことから、良質なたんぱく質だといえます。

画像の提供元:(有)坂井商店 様

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